2017年7月7日金曜日

日名子実三のシェパード像 ブック・スタンド

日名子実三は幾つか動物の像でメダルを制作していますが、これはシェパードをモチーフとしたブックスタンドです。
ちゃんと2対あり、そのどちらにも同じレリーフがあります。
このシェパードの像ですが、他にも化粧品用のコンパクトに用いられていることが確認されており、もしかしたら使用権をデパートなんかの業者に渡したのかもしれません。
ただ、このブックスタンドの円形のレリーフをみると、もともとはメダル用に制作したのかも。

日名子はシェパードの他にもエアデールテリアを飼っていたらしく、多くの軍用犬のメダルにその姿を描いています。
第二回軍用犬展覧会 メダル

犬好きの彫刻家として知られる作家には、他に藤井浩祐が上げられますね。
犬の著書まで出しています。

逆に猫好きは、朝倉文夫や木内克です。
犬を好む彫刻家と言うのは、その構造物としての確かさを好むのでしょうね。猫のような柔らかい姿を好む彫刻家の方が少数のような気がします。
その二者は交わらないのでしょう。そう考えると、日名子が朝倉文夫から離れた理由はそこにあったと言えるかもしれません!

また、馬と言えば、池田勇八。そして、皇居前広場の楠木正成像の馬像を制作した後藤貞行に、近衛騎兵だった新海竹太郎。
高村光雲の老猿のように猿、獅子、兎、牛、猪などは彫刻のモチーフとして多く使われています。

メダルで言えば、齋藤素巌のホッキョクグマといった変り種もあります。
このホッキョクグマとライオンは、1902年に、ドイツのハーゲンベック動物園から上野動物園に贈られたものだと思われます。

そして日名子の山羊。
このメダルは東京市で行われた「動物写真撮影週間」記念章です。
このイベントがどういったものかはわかりません。
そのモチーフに山羊を選んだのは何故でしょう?

動物をモチーフにしたメダルは、まだまだ探すとありそうです。
干支ぐらいはコンプリートしてみたいですね!

2017年7月1日土曜日

展覧会参加のお知らせ

もう2017年も半年が過ぎました。
昨年の岐阜県博物館マイミュージアムでのコレクション展では、テンヤワンヤでありましたが、私の敬愛する先生方にも会えて、素敵な一年でした。
今年もどこかで展示を行いたいと思っていたところ、東京の小平市平櫛田中美術館様からお声を掛けていただき、9月よりメダルを主とした特別展に参加させていただくことになりました!
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平成29年度 特別企画 「メダルの魅力
会期:9月13日(水)~11月12日(日)
小さなメダルの中には彫刻家の世界が広がっています。メダルに魅せられた蒐集家のコレクションを中心に、メダルの魅力をご紹介いたします。
http://denchu-museum.jp/
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先のコレクション展でお見せした作品に加え、新たにコレクションしたメダル等と、畑正吉によるレリーフなどを展示したいと考えています。

また、私のトークイベントなども企画されているようですので、詳しいことはこのブログで紹介していきたいと思っています。

日本の近代MEDAL ARTを世に知らしめるべく、残りの半年も精一杯活動していきます!