2014年9月6日土曜日

日名子実三 作「第11回関東大学専門学校選手権競技大会」メダル


久しぶりに日名子実三によるメダルの紹介です。
「第11回関東大学専門学校選手権競技大会」メダルです。
 第11回大会は昭和8年に行われました。
また、この図柄は、第10回大会でも使用されているようです。

この円盤投げというモチーフは、古代ローマの作品が残されており、大英博物館の円盤投げ(ディスコボロス)が有名です。
日名子もこれを意識しなかったわけはないでしょう。
競技大会のいくつかある種目から円盤投げを選んだのは、そういった思いもあったからなのでしょうね。
そのためなのか、ギリシャ、ローマの彫刻が見上げる作品であるのと反対に、この日名子の円盤投げが見下げる構図になっています。
その結果、当時の競技会場であった明治神宮外苑競技場において、円盤投げの選手を観客の視点で見るような図になっており、よりリアリティーを感じる構図になっています。

当時の彫刻家が作品を制作する場合、モデルを用いていました。
このメダルを制作した時も、日名子はモデルを用いていたと考えられます。
しかし、このような俯瞰した視点にするために、日名子はどんな方法をとったのでしょうか。 
もしかして高座で制作したのか、このデザイン(構図)のために高座からデッサンを行なったのか。
それとも報道写真なんかを参考にしたのか。それとも...

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