2013年12月22日日曜日

ザッキンの絵葉書



ザッキンの「第八回」「第九回」「第十五回」二科会に出品された絵画の絵葉書です。
オシップ・アレクセーエヴィチ・ザッキン(Ossip Zadkine)は、藤田嗣治やモディリアーニらモンパルナスの芸術家たちと交流し、藤田を通して戦前より二科会に出品した彫刻家です。

そんなザッキンの絵画が上の絵葉書なわけですが、この絵画を見てわかるように、キュビスムを用いた彫刻を研究しました。

戦前より、このような最新の彫刻を当時の日本に紹介してきたのがザッキンですが、不思議なことに、彼のフォロワーと言うか、彼と思想を同じくする日本の彫刻家が出てこなかったようなのです。
当時の日本の美術評論家からも高い評価を受けていたザッキンなのに、それは何故でしょう?
勿論、戦後において抽象彫刻は、抽象でなければ彫刻ではないというかのように広く日本に定着したわけですが、戦前においては、プロレタリア美術の一部や、構造社や他の団体の作家の一部に隠れるようにして有るだけで、ザッキンの身近であった二科においてさえ、それが目立って為されることが無かったのです。

それとも、ただたんに二科内の政治の問題なのでしょうか?
何かわかりましたら、またここに書きます。

2013年12月15日日曜日

Intermission 「生誕130年 彫刻家・高村光太郎展」

碧南市藤井達吉現代美術館へ「生誕130年 彫刻家・高村光太郎展」を観に行ってきました。
高村光太郎の作品は、いままでにも幾つか観ているのですが、今回初めて観賞する作品もあって、楽しめました。
しかし、僕は高村光太郎の近代彫刻家としての力量は、彼の友人である荻原守衛や中原悌二郎に劣ると考えており、実際彼らの作品と比べると...
そういったわけで、今回の展示で何よりも見たかったのは妻である智恵子の作品でした。
素晴らしかった。
繊細で、モダンで、知的で、儚げで...
それは、彼女の物語を知っているからなのかもしれません。
作品が持つ本来の力ではないのかもしれません。
しかし、それでも、作品を目の前にした感動は僕にとってリアルなものだと言えます。

それと、美術館近くで食した碧南やきそばの店がなかなかにディープで、しかも旨く良かった!!

2013年12月1日日曜日

Intermission Dagobert Peche氏作置物 絵葉書

先日、地元岐阜県の多治見市にありますギャルリももぐさで行われていた、minä perhonenの企画展を見てきました。
かわいいテキスタイルで有名なminä perhonenですが、今日はそんなテキスタイルの話しです。

上記の絵はがきにあります維納市とはオーストリアのウィーンのことですね。
デゴバルト・ペッシュとはDagobert Peche(ダゴベルト・ペッシュ)だと思われます。
ダゴベルト・ペッシュは、ウィーン工房に参加していたディレクターで、数々のデザインやテキスタイルを生み出したデザイナーです。
つる草や葡萄などをあしらった曲線的なデザインを特徴としました。

この絵葉書はそんなデゴバルト・ペッシュの置物らしいですが、どんな構造なのかよくわからないですね。立体なのかレリーフなのか、絵なのか芸術写真なのか?
この当時における前衛的なデザインが、どのように受け入れられたのか、デゴバルト・ペッシュを当時の日本人はどう評価したのか、興味がわきます。