2012年12月17日月曜日

震災と銅像(その2)

前回と同じく、関東大震災後の万世橋駅前です。
駅前に立つのは広瀬中佐杉野曹長の銅像。
こちらが地震前の画像です。
原型は朝倉文夫の実兄である渡辺長男。
この銅像は震災を乗り越え、米軍の空襲を乗り越え戦後を迎えたのだが、最後は日本人自身の手で取り壊されます。
実はこれら取り壊しの判断に戦後の彫刻家たちの意見が取り入れられています。
 その一団の中に、朝倉文夫がおり、そんな裏事情を描いたこんな本もあります...
たしかに、明治以降の日本では、多く銅像が乱立した。そこには美とは言えないものもあったろう。しかし、それを断じることは傲慢ではないか。
戦争をしたということ、敗戦したということ、この銅像の下で生きてきた人々までも否定してしまうのは傲慢ではないか。
戦後の日本の彫刻史はここから始まったと言えるでしょう。

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